全日本ラリー選手権久万高原ラリー イベント解説

全日本ラリー選手権第2戦は、愛媛県久万高原町で行われる久万高原ラリーです。

観戦情報はこちらの大会公式サイトをご覧ください。
http://www2.odn.ne.jp/mac/index.html

全日本ラリー全体の観戦ガイドはこちらをご覧ください。
http://www.jrca.gr.jp/3834

2011年からはグラベルイベントでしたが、今年は5年ぶりにターマック戦になります。
チャレンジングでタフなイベントなので、走りがいがあって筆者は好きなラリーです。
このラリーでいろんな経験をしました。

視界ゼロの霧の中を走ったり・・・
エンジンブローでリタイヤしたり・・・
FD2シビック投入初戦で車検が通らず突貫で直したり・・・
コドラと二人熱中症で体調不良になりながら、気力を振り絞って走って優勝したり・・・

記憶の中に強く残っています。


さて、このイベントのツボを紹介していきます。
一言で言うと、このラリーは非常にタフです。
いくつもの「怖さ」がクルーを苦しめます。


1.ブレーキが効かなくなってきて怖い
筆者が経験した中でも3本の指に入るタフなSSが、Day1の「美川リバース」と「大川嶺」の連続するSSです。
リバースとは逆走の意味で、林道をどちらから走るかを区別する為にこのような呼び方をしています。
美川リバースと大川嶺は、全日本ラリーでも屈指の「ブレーキに厳しい」SSだと思います。
美川も大川嶺も、直線と高速コーナーの後にタイトコーナー、というリズムをもったSSです。
高い車速からのフルブレーキが多くなり、ブレーキ温度が上がります。
しかもSSの距離が長いのでブレーキに負荷が掛かります。
美川リバースを走り終えて、ブレーキがアツアツになった所で、直ぐに「大川嶺」を走ります。
この大川嶺も、ブレーキには非常に厳しいです。
前半は登りですが、後半は急な下りで、ブレーキが更にアツアツになります。

ブレーキが熱を持つと、ブレーキがだんだん効かなくなってきます。
これをブレーキフェードと言います。
また、ブレーキを動かしている油の温度が上がって沸騰してしまい、油の中に気泡が入ってしまい、
ブレーキペダルがフカフカになります。これをベーパーロックといいます。
マシンはフェードやベーパーロックが起きないように万全に整備されていますが、ブレーキを酷使するので、フレッシュな状態に対してブレーキの性能は徐々にSS中に下がってきます。

ブレーキそのものの性能も当然問われますが、SS走行中にフェードやベーパーロックを起こして、ブレーキ性能が落ちてきた後でも、ドライバーが如何にそれをカバーするかが、重要なポイントです。

ちなみに、当時筆者が使用していたBRIGさんのブレーキパッドは、このような厳しい環境下で、かつ、重いFD2シビックでも最後までブレーキ無交換のままで耐えて安定した性能を発揮し、筆者に勝利をもたらしてくれました。



2.標高が高くて怖い
標高の高さは、人にとっても車にとっても過酷な環境です。
標高が1000mから1500m位の所でラリーが行われるので、平地とは酸素濃度が違います。
酸素濃度が低くなるとエンジンパワーが出なくなります。
また、単純に高い所は怖い。筆者だけかもしれませんが。


3.谷が深くて怖い
林道は山の稜線沿いに設置されています。つまり片側は山側で片側は谷側。
四国の谷の特徴かもしれませんが、とにかく谷が深いです。
久万高原ラリーの急峻な谷は、はっきり言って怖いです。
コドライバーも怖いと思います。
コドライバーとの信頼関係、ペースノートの精度でもって、この怖さを払しょくして走ります。
クルーの総合力、チームワークが問われるタフなラリーだと思います。


4.天候が変わり易くて怖い
標高が高くて海にも近い為か、非常に天候が変わり易いです。
SS毎に天候が違う、SSの中でも雨が降っている所と止んでいる所がある、という事は良くあります。
霧も非常に良く発生します。
2006年にこのラリーに出場した時は、雲の中に辺り一面がすっぽり入ってしまい、殆ど視界ゼロでした。
深い霧の中で、急峻な谷のSSを走る・・・いやー怖かったなー。
よって、山の天候を読む情報力と、タイヤチョイスも勝敗を分けるポイントかと思います。


5.路面が比較的荒れており、且つ路面に泥が出るので怖い
全日本のターマックラリーの中では舗装は荒れている方だと思います。
路面の凹凸だけでなく、道に苔が生えていたり、水が流れていたり、グレーチング(山からの湧水や雨水を流す為の溝)が道を横切っていたりと、 テクニカルなコースです。
また、舗装されていない部分(砂利の部分)がコーナーの内側にある所が多いです。
ドライバーは最短距離を走りたいので、内側のタイヤをここに入れて走ったりします。
これをインカットと言います。
インカットすると、路面に泥や砂が一杯掻き出されて、非常に滑る事があります。
どれくらい泥が出ていてどれくらい滑るかは、そのコーナーに行かないとわかりません。
咄嗟の判断力、マシンコントロールが問われる部分です。


このような状況の中で、美川リバースと大川嶺をDay1で2ループする訳ですが、Day1を終えて誰が優勝争いに残れるかが見どころかと思います。
SS距離が100kmを超えているのでポイント係数は1.2。
上記のとおり難しいラリーなのでリタイヤ率も高め。
今シーズンの流れを占う重要な一戦になると思います。



観戦に行かれる皆様は、当日の天候をチェックして、天候急変や気温急変に備えた服装装備で行かれる事をお勧め致します。筆者の地元である東海地方の話で恐縮ですが、標高1500mと言えば伊吹山や御在所岳より高いです。
でも、天気が良いと最高に眺めが良くて気持ちがいいです。
特に大川嶺周辺は本当に眺めが良くて絶景です!(四国カルストというそうです)


美川スキー場までの道は途中狭いところも多いので、スピード控えめで安全運転でお越し頂ければと思います。


以上役に立たないイベント解説と観戦情報でした。


あ、唐津の時にもお知らせしましたが、もう一回言いますと、

・エントラントリスト
・アイテナリー(行程表、時間割・・・特別規則書の中にあります)

をお持ちいただき、

・SS速報

を携帯で見ることができるようにしておくと、ラリーの流れと選手のタイムが分かって更に楽しめると思います。
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